社内報の起源は、1902年に日本生命保険相互会社で作成された「社報」が始まりといわれているそうです。そしてその翌年に、鐘淵紡績会社(現・クラシエホールディングス株式会社)によって発行された「兵庫の汽笛」も、日本における社内報に影響を与えたそうです。
ところで、私事恐縮ですが、実は会社員時代に社内報を作っていました。小学生のときには学級新聞を模造紙に書いて教室に貼り出したりしていましたから、何かご縁があるのかもしれません。住職になってからは、寺報づくりをすることになりましたし。「経験はいつか必ず活かせるときがくる」とかなんとかいわれていますが、その通りですね。
社内報づくりというとどんなイメージをお持ちでしょうか。その目的はいろいろありますが、例えば、会社の考え方や各部門の取り組み事項の周知徹底、社員意思疎通の促進、社史としての記録などでしょうか。どちらかというと、内向きで地味な仕事という印象をお持ちの方が多いのかもしれません。
私が働いていた会社は120人程度の中小企業でしたが、各部署に通信委員なる記者が配置されていて、彼らの取材をもとに編集会議で記事内容が決定されていました。実際、社内報づくりをやってみますと、それらのネタの取材で、他部署の様々な社員の方々とかかわることになりますし、会社のあらゆる情報を耳にすることもできました。確かに地味な仕事なのですが、各部の現場の生の声を聴き、自分たちの会社を正確に知るという意味では、社内報作りの仕事に携われてよかったと思っています。
その当時はいわゆる新聞型でしたが、最近では社内イントラネットでのWebとなり、すばやく情報が掲載されるようになったと聞いています。世間では終身雇用が終わりつつあり、転職の方も増えてきている現在、社内報を読むことによって、情報を共有できたり、どんな社員の方がおられるのかなどを知ることができ、まとまりのある組織づくりができるのではないでしょうか。会社に限らず、いろいろな組織団体でも「〇〇だより」が発行されていますし、家族報などを作るのも楽しいかもしれませんね。今日も楽しい一日を。