山家会

 

伝教大師像?雙林寺蔵
 青空の京都東山です。今日は、天台宗を開かれた伝教大師さまのいわゆるご命日です。弘仁13(822)年6月4日・辰の刻(午前8時ごろ) 比叡山中道院において入滅されました。延暦寺浄土院が御廟所となっています。
 京都教区では宗務所において山家会が執り行われます。山家会とは、中国天台において、天台宗の正統を『山家』と称しまして、伝教大師さまは、中国天台宗の正統を受け継がれましたので『山家大師』とも呼ばれるようになったところに由来しています。伝教大師さまの威徳を讃え、その御恩に感謝する法会で、今日は『伝教大師和讃』をお唱えすることになっています。
 和讃とは、仏(如来)、法(経典・教え)、僧(菩薩・祖師)の徳をたたえる仏教讃歌の一種です。古代インドの梵文による梵讃、漢文による漢讃に対して、和文で作られたものを言います。七五調の句を連ねることが多く、時には曲節をつけて唱えられます。
 平安中期頃までに成立したと見られ、古くは慈慧大師良源撰述とも伝わる『註本覚讃』や恵心僧都源信の『天台大師和讃』などがあり、浄土教の流行とともに流布されました。『伝教大師和讃』は製作年代と作者は正確には明らかとされていませんが、文化9(1812)年、 最深撰と記載される本が残されています。
 ところで、雙林寺には伝教大師さまらしきお像をお祀りしています。「らしき」というのは、伝教大師さまの御尊像は、座禅時の手の組み方「定印」のお姿が多いのですが、こちらのお像は合掌されており、書付もなく違うかもしれませんので、らしきお像とさせていただきました。ただ、帽子を頭から着用されていますので、高僧であるお方だと思われます。
 みなさまにおかれましても、伝教大師さまの威徳を讃え、御恩に感謝しながらお過ごしいただきたいと思います。今日も楽しい一日を。