西行法師像

 

西行法師
 曇り空の京都東山です。今回の特別公開では飛び地境内にある花月庵に安置しています「西行法師像」を本堂にて公開しています。画像は1864(元治元)年に製作された花洛名勝図会に描かれているそのお像を写した肖像画です。

 そもそも花月庵のもとは、室町時代始めに建立されたとみられ、1731(享保21)年に、大阪の摂津池田に所在した李孟寺の天津禅師(?~1739)により、再興されました。その後、1770(明和7)年、冷泉為村が建物を修繕し、西行法師像を納める厨子を寄進しました。厨子の扉には、為村自作の歌が記されています。

「二もとの言葉のかげに名に高さ正しき風を代々に残して」

「花は根にかへりし後の影古りて見ぬ世を偲ぶ三月二月」

 庵中央には、為村筆による「花月庵」の横額が掲げてあります。西行は花と月を詠んだ句が多いことから為村がそのように命名したようです。また出入口の門は「推敲門」と呼ばれています。堂内には、西行法師僧像(頓阿法師御作)、頓阿法師僧像、上冷泉家歴代尊霊位、天津禅師霊位をお祀りしています。通常は堂内非公開ですので、この勝縁にぜひお参りくださり肖像画とお像が似ているかそうでないのか是非ご確認ください。今日も楽しい一日を。