後片付け

アフター
 いいお天気の京都東山です。今日も27度位まで気温が上がる予報です。さて、特別公開の設えから元の状態に戻しました。襖を入れて、護摩壇を出しました。その他こまごまとしたものも元に戻しましたが、たった3週間の会期でしたが、元の状態がどんなだったか一瞬思い出せなかったということはここだけのお話です。作業しながら「趙州洗鉢」を思い出しました。

 ある修行僧が師僧(趙州)に有難い教えを請います。すると師僧は「朝食は食べたのか?」と聞かれました。修行僧は「はい、いただきました」と答えます。すると師僧は「それなら茶碗を洗っておきなさい」と言われました。それを聞いた修行僧は悟りを得られたというお話です。どういうことなのかすぐにはわからない禅問答ですね。四字熟語辞典には、【仏道の修行で大切なことは、普段の生活のように無駄なことをせずに、日々の勤めを励むべきであるということ。「趙州」は人の名前で、中国の高僧。趙州は粥を食べたら鉢を洗うように、鐘が鳴れば仏法を説くために堂へ行くように、いつも行うことをしっかりと行って余計な考えを差し込まないことが大切であると説いた。】とあります。

 今やるべきことを後回しにしたり、誰かがやってくれるだろうとそのままにしておく、忙しいからとか何かと言い訳をしたりと、片づけは面倒くさいですよね。テレビで流行った言葉に「いつやるの?」がありましたが、やって当たり前のことが、できないのですよねぇ。

 比叡山で修行しますと、幽霊みたいな見えないものが見えるようになる能力は開発されませんが、やるべきことを今やるとか時間を守るとかそういう当たり前な見えないものが見えるというかわかるようになりますよ。今日も楽しい一日を。

ビフォー