お写経のしかた

 寒い晴れ空の京都東山です。今更ながら、本堂で写経が出来るように写経用紙を揃えました。ご希望の方は、ご参拝の折、お申し出ください。

 昨今、座禅とともに、写経もブームになっているように思われますが、ご家庭でもできますので、ちょっとした作法の一例を紹介してみたいと思います。お経の意味を知らなくても、道具にこだわらなくても、むつかしく考えることもありません。とにかく、お経を書けばいいのですよ。

 お経は、般若心経でなくても、阿弥陀経でも観音経でも何でもよいのですが、長いとそれなりに時間がかかりますから、ポピュラーな般若心経がよろしいかと思います。七仏通戒偈ですと、短いので直ぐに書き終えることができますね。

  1. 道具を揃えます。必要なものは、墨、硯、筆、用紙、手本となるお経、です。あれば文鎮、下敷き。初心者の方はお経の上に用紙を置いてなぞれる写経用紙がよいでしょう。用紙に直接なぞることが出来るものもあります。また、筆ペンの使用も簡単でいいと思います。硬筆は?と質問されますが、私は筆を使用してちょっと苦労する方が修行になっていいと思いますよ。
  2. 心身を清め、姿勢を正して、墨をすります。お香を焚くことをおすすめします。お仏壇があれば、線香と蝋燭を灯します。墨汁よりも墨を擦ることで気持ちを落ち着けてください。では、深呼吸をして始めましょう。
  3. 観念文を読みます。合掌して、これからお写経させていただきますと仏さまにお伝えします。【水は是れ大悲慈潤の智水・墨は又楞厳禅定の石墨・定墨と恵水和合して実相法身の文字を書写す・この文字は三世諸仏・甚深の秘蔵三身如来真実の正体にして・禅定智恵の法門・自行化他の功徳・悉く皆具足す・是を以て此経の文字は十界色身を現じ・類に随って説法利生す・是故に我今・此経を書写し奉る・此功徳善根に依って弟子と法界の衆生と無始より巳来・三業六根に作る所の一切の罪障・皆悉く消滅し・臨終正念して・極楽に往生し・見仏聞法して・無生忍を證せんこと】
  4. 写経を始めます。ひたすら集中して無心に書き進めます。字の上手下手よりも丁寧に書きます。
  5. 願い事を記します。最後に「為・・・・」というふうに書きます。「為家内安全」「為交通安全」などです。「為書き」と言ったりもします。併せて、年月日、住所、氏名を書きます。
  6. 書き終えましたら、回向文を読みます。【願わくは此の功徳を以って、普く一切に及ぼし、我等と衆生と、皆共に仏道を成ぜんことを】みんなが一緒に悟りを得られますようにと願います。
  7. 納経しましょう。お寺へ納経料とともに奉納し、回向してもらいます。その他、掛け軸にしたり、額に入れたり、箱に納めておくなど、持経といって、持っていることでも功徳があります。

 写経をしますと、心が落ち着くとか、脳が活性化するとか、字がきれいになるとか、いろいろいわれていますので、おうち時間の過ごし方の一つとしていかがでしょうか。一度だけではなく、続けることが肝要ですよ。今日も楽しい一日を。