初午

 曇り空の京都東山です。今日は「初午」にてお稲荷さんのご縁日ですね。京都の伏見稲荷をはじめ、各地の稲荷神社で盛大にお祭りが行われるのでしょう。もともとお稲荷さんは五穀豊穣を司る神さまですが、のちに商売繁昌・産業興隆・家内安全・交通安全・芸能上達の守護神としても信仰されるようになりました。狐はお稲荷さんのお使いで、油揚げが好物なのは有名なところです。

 また、お稲荷さんとご縁の深い神さまに荼枳尼天さまがおられます。この荼枳尼天さまは、ちょっとすごいお方です。もともとは、インドの土地の豊作を司る美しい裸体の女神さまでした。その後、バラモンやヒンズー教に取り入れられてからは、愛欲の神となり、仏教に取り入れられますと、凶暴な悪鬼となって、何と、生きた人間の心臓を食べるという鬼女に変身されます。しかし、大黒天さまから、生きた人間の心臓を食べることを禁じられ、改めるように忠告されました。そして、人間の死を六カ月前に知ることができるという神通力を与えられたとのことです。

 荼吉尼天さまは、死んだ人の肉を食べられるので、これが、狐に似た伝説上の動物で死肉を食うとされる「野干」に例えられるようになると、狐に置き換えられ、白狐にお乗りになったお姿が一般的となりました。そこからお稲荷さんと同一化されるようになったようです。

 しっかし、神さまなのに人食いだなんてどうなんでしょう?なんて思うのですよね、ま、理由があるのでしょうけれども。今日も楽しい一日を。