南天

 今朝は曇り空にて、多少涼しく感じます京都東山です。さて、南天の花が咲き始めています。縁起の良い植物ということは知っていたのですが、詳しく調べてみました。

 南天の花言葉は「私の愛は増すばかり」「機知に富む」「福をなす」「よい家庭」です。白い花を咲かせた後に、赤い実が成るというところが、愛情の高まりに見えることから「私の愛は増すばかり」という花言葉がつけられたそうです。

 南天は、その名前の音から「難転」と解釈されて、つまり「難を転ずる」とされ、縁起の良い木になり、鬼門または裏鬼門に植えられるようになりました。

 戦国時代、武士は、鎧を南天の葉と一緒に箱に収め、出陣の際には枝を床にさし、勝利を祈ったそうです。また、正月の掛け軸には水仙と南天を描いた「天仙図」が縁起物として好まれたようです。

 江戸時代の百科事典「和漢三才図会」には、「南天を庭に植えれば火災を避けられる。とても効き目がある」という内容の記述があり、どこの家にも南天が「火災よけ」として植えられるようになり、さらには「悪魔よけ」として玄関前にも植えられるようになりました。確かに、雙林寺も玄関前に植えられています。

 他にも、トイレの前に「南天手水」といって、葉で手を清めるためなどの目的で植えられたり、赤飯に葉を載せるのは、赤色が厄除けの効果がありかつ難転の縁起からきているそうです。

 また、葉は生薬で、健胃、解熱、鎮咳などに効能があります。「南天のど飴」は有名ですね。葉に含まれるシアン化水素は猛毒なのですが、含有量はわずかであるので危険性は殆どなく、食品の防腐に役立つとのことです。赤飯やお弁当に入れてあるのは彩や縁起だけではなく、このためでもあるのですね。(南天研究所HPなどから)それにしても、南天も凄い植物で、先人たちの生活の知恵も奥深いです。今日も楽しい一日を。