法華塚

花洛名勝図会
 今朝は晴れていて過ごしやすい京都東山です。さて、お地蔵さまについて「法華塚」からお出ましになられたとご紹介させていただきましたが、その法華塚のいわれについて書いてみたいと思います。

 法華塚とは、本堂前の石柵に囲まれた小さな塚のことです。平安時代の終わりごろ、皇女綾雲女王が、父である鳥羽天皇の菩提を弔うために、天皇御自ら書写された金字法華経八巻を納めるために法華塔を建立されました。しかし、応仁の乱により宸筆の法華経と共に罹災してしまったため、その跡地に、その灰土を集めて一塊の塚としたと伝えられています。この塚は、元治元(1864)年に刊行された京都の寺社仏閣などを紹介したガイドブック的な書物「花洛名勝図会」にも描かれています。

 それにしても、この図会にはたくさんの建物が描かれていますので、往年の雙林寺を偲ぶことができますね。今日も楽しい一日を。