黒文字

 今日は曇り空で、雙林寺周辺の桜は散り初めとなりました。桜吹雪は風情がありますが、春風が強くて困りものです。

 さて、お檀家さんがお彼岸に墓参りに来られなかったとお参りに来られ、大きなおはぎを御供えされました。握りこぶし位あります。きな粉のものとイチゴ大福とそれぞれ2個ずつ合計6個。ずしりと重量感がありました。仏さまへ御供の後、お下がりとして、ボランティアの学生さんにおやつとしてお出ししました。このようなおはぎは、京都では仙太郎のものが有名です。

 それで、学生さんには写真の黒文字が珍しかったご様子です。黒文字とは木でできた菓子用の楊枝のことで、お茶席にはつきものとなっていますね。和菓子は一口で食べることはせず、黒文字で切って突き刺して口へ運びます。つまりフォークとナイフの用途が1本で出来るスグレモノなんです。また、人前で黒文字をにおう方はおられないと思いますが、うっすらと柑橘系の独特ないい香りがします。芳香成分が含まれているそうです。生の黒文字の木ならはっきりとわかります。

 黒文字は、長さ太さといろいろな種類がありますので、ワインのコルクを集めるように記念に取っておくのも楽しいかもしれませんね。今日も楽しい一日を。