輪袈裟について

 今日はどんよりとした曇りで雨も降りそうです。さて、おうち時間が増えて我が家も整理整頓、掃除などしてましたところ、お作法集やら修行時のノートが目に留まり、ここ数日で、仏前での一応のお作法を改めて確認することができました。一区切りとして、お勤めするときやお寺に参詣するときの服装と心構えについて少々書きます。

 先ずは服装と言っても、特段着飾る必要はなく、簡素、清潔、端正を旨として、破れたり汚れたりしていないものを着るということは言うまでもないことですね。それから、持ち物としては、数珠と輪袈裟、あれば、塗香を用意したいところです。

 輪袈裟は僧侶が着用する袈裟を簡略化したもので、首に掛けるタスキに似ています。袈裟は、もともとインドの僧侶が身にまとっていた衣装で、全身を包む大きな矩形をしており、数多くの布片を縫い合わせて作られています。色は黄色又は茶褐色で、我々で言うところの「如法衣」に似ています。手元の作法集によりますと、日本では中世紀頃から、特に修験道の行者が山を越え、野を渡りあちこち移動する場合、袈裟では行動に不自由なことから、改良されて作られたものが、輪袈裟の始まりだそうです。

 檀信徒用としては、輪袈裟をさらに短くして、半袈裟という形で用いられます。これは、和服にも洋服にも掛けることが出来てとても重宝です。この数珠と半袈裟は広く仏事に用いられますから、仏前に出る時には着用しているのが正式ですし、そうすることで、いつもにない気持ちが自然に湧いてくるように思います。身が引き締まるとでもいいますか。

 以上でお仏前へ出る支度は整いました。そして一番大切なのは心構えです。私たちは真実の仏弟子です。仏弟子の基本中の基本は仏法僧を信じる以外にほかありません。明るく、正しく、仲よく、この三つが仏法僧の根本精神です。しかしそれを私たちはわかっているのになかなか簡単に出来ることではありません。ゆえに、この円満なる人格を備えられた仏さまは尊いのであり、それがわかるように書かれてあるお経典は貴いのです。私たちは常にこの三宝を崇敬することを忘れてはならないですね。 篤敬三寶 今日も楽しい一日を。