自灯明の教え

 今日はいわゆるお釈迦さまがお亡くなりになったとされるお命日です。入滅された日ともいいますね。毎年、天台宗京都教区では真如堂にて涅槃会が営まれるのですが、コロナ渦で今年は止む無く中止です。

 お釈迦さまは、脇からお生まれになり、すぐに7歩歩かれたと言われていますので、お亡くなりの時もさぞかしウルトラマンのように空へ飛んでいかれたのか、などと思ったりもしましたが、これが普通の人と同じで、鍛冶屋のチュンダに布施してもらった食事がきっかけで、北枕で横になられた状態で、弟子をはじめ多くの人々、動物たちにも見守られ、80歳で静かに息を引き取られます。ただ、変わったことといえば、周りの4本の沙羅双樹が、お釈迦さまが亡くなると同時に、真っ白になって枯れたくらいです。この時の模様は涅槃図に描かれていますね。

 最後に弟子のアーナンダに「お前たちは自分たちを明かりとしなさい。人をよりどころにするな。仏法をよりどころにして、他を頼るな」と「自灯明の教え」を最後に遺されます。自分を頼りにしなさいなんです。世の中、誰も助けてはくれないので、しっかりとした自分、心を鍛えて、正しい行ないをしなさいとおっしゃるのです。人生は自分の努力、心がけしだいで変えることができる。

 お寺に行ってお賽銭を布施して祈りましょうとも言いましたけれども、そうやって、仏さまのお力を頂きながら、自分の人生は誰にも頼らず、しっかりとした自分、円満な人格形成をしなさいというのが仏教の教えなのです。

 おんさるばしちけいびしゅだらにそわか 今日も楽しい一日を。