法事

しょうぐうさん
 いいお天気の京都東山です。朝から法事です。たまに、「何回忌まで法事をするのか?」と質問されますが、会社の創業者の方の法事として、100回忌とか200回忌とか営まれることがありますように、特に決まりはありません。伝教大師さまの命日はいまだに法事を執り行っていますよね。

 このように施主さまが生きておられる間は、全て回忌法要は執り行っていただきたいのですが、さすがに50回忌ともなると、はたして、しっかりと行うことができるのか謎です。それに、全く知らないご先祖さまの法事を、といわれても実際のところピンとこないということもありますから、一般的には、「弔い上げ」といって、33回忌、50回忌を目途として、最後の法事にするようです。

 そもそも法事というのは、追善供養(ついぜんくよう)といいいまして、

  • 追善=功徳を積んで亡き人の霊を弔うこと。死者の冥福を祈ること。
  • 供養=奉仕すること、供えさしむけること。身・口・意によって物を供えめぐらすこと。

 追善供養を行うことは、生きている人が行う善行が亡くなられた人の善行になり、それがまた自分に戻ってくるということにもなります。つまり、亡くなった人のことを大切に想い、法事を行ったり、お墓をお掃除したり、線香、花、亡くなった方のお好きだったものをお供えするという素晴らしい行いによって、その素晴らしい結果を人々へ巡らせるということです。将来、よいことが起こるように、今、よいことをする。今、悪いことをしていると、将来は良いことが起こらないということでもあります。

 また、亡くなった人を大切に想うことは、思いやりの心を育むことにもつながります。ひいては、周りの人たちのことも大切に思えるようになるはずです。そうして、おかげさまのこころでご奉仕、恩返しをするのです。

 人を大切に思ったり優しくすることは容易くできることではないように思います。法事の段取りが面倒くさいとかいわずに、自分の優しい心を育んだり、いろいろな人に何かをして差し上げる機会ととらえて、ぜひとも法事を営んでいただきたいです。今日も楽しい一日を。