大黒天

大黒天(雙林寺蔵)
 曇り空の京都東山です。暦を見ますと、今日は、大変良い超開運日となっています。まずは、60日に1度巡ってくる大黒天さまのご縁日「甲子の日」、そして、一粒の種が万倍にも実るという「一粒万倍日」、さらに、十二直では、万事物事が成就するという「なる」で、二十八宿では、大吉日の「鬼」となっています。何だか、物事がとんとん拍子にすすみそうな気がしますよ。

 ということで、大黒天さまは、商売繁盛、福徳、財宝を与えてくださる神さまとして、また、五穀豊穣や開運の神さまとして、多くの農家や商家等でお祀りされ、七福神のメンバーとしても、広く民衆の間で信仰されています。もともと日本に伝えたのは、伝教大師さまといわれています。雙林寺の大黒天さま(通常非公開)も大師御作と伝えられています。

 そもそも、帝釈天、毘沙門天等と同じように仏教の天部におられる神さまで、忿怒神、戦闘神、夜叉神などと呼ばれます。そのため、米俵ではなく、岩座の上に甲冑を着け、半跏坐でお座りのお姿です。手には宝棒をお持ちになり、大きな袋は肩に背負わず、膝の上にドカッと乗せておられます。見るからに戦闘態勢ですよね。

 平安時代から仏教の守護神としてお祀りされていましたが、室町時代以降になって七福神のメンバーになると、広く一般家庭でも信仰されるようになりました。また、「大黒」と「大国」の発音が同じであることから、出雲神社の大国主命と習い合わされ、ますます民間信仰の基盤となっています。

 そのほか、大黒天に親しみを込めて「大黒さん」と言う以外に、住職の奥さんのことを「お大黒さん」と呼ぶことがあります。大黒天さまはお寺の台所に祀られているため、台所を切り盛りする奥さんに尊敬の意味を込めて呼ぶようになったのが始まりといわれています。我が家のお大黒さんも朝から何か、わーわーやってますよ。おん まかきゃらや そわか 今日も楽しい一日を。