大黒天縁日

仏さま

大黒天（雙林寺蔵）
　曇り空の京都東山です。今日は、天が万物の行いを赦す「天赦日」と、万民福を得る「天恩日」、そして、一粒の種が万倍にも実るという縁起の良い「一粒万倍日」、さらには、十二直では「たつ」に、二十八宿では「奎」と、それぞれ吉日となっています。つまり、超開運日、最強開運日なのです。そして、「甲子の日」にて、大黒天さまのご縁日となります。いい日になりそうな予感がします。ぜひ、お参りに行きましょう。

　大黒天さまは、本名を摩訶迦羅（マハカラ）といい、悪魔を征伐する戦闘神でした。そのため、大黒天さまはドクロを首にかけ、すさまじい表情の神さまとして、古来インドで信仰されていました。三世最勝心明王経というお経では、一頭二臂（頭が一つ、手が二つ）、慧琳音義では一頭八臂、胎蔵界曼荼羅では、三面三目六臂（頭が三つ、目が三つ、手が六つ）という具合いにお姿を変えられます。

　ところが、日本に伝教大師さまがお伝えになってからは、さらに変身されます。大黒さまが剣を小槌に持ちかえて七福神の仲間になられたのは元禄１１（1698年）年、摩訶阿頼摩という人が書いた「日本七福神伝」に、大黒さまのお名前が出てきます。いつの間にか戦闘神の武装が解除されて、おめでたい神さまとなられました。

　雙林寺の大黒天さま（非公開）は、伝教大師さま御作と伝わります。大国主命スタイルに武装したままのお姿で、腰を据えてドンと岩座にお座りです。宝の棒をお持ちになり、宝の入った袋は肩にかけずに足にドカッと携えておられます。延暦寺にも大黒天半跏像があるのですけれど、雙林寺の大黒天像とそっくりなのですよね。いずれにしても、とても頼もしいお姿です。　おん　まかきゃらや　そわか　今日も楽しい一日を。