御守

 晴れ空の京都東山です。明け方は涼しくなってきました。もう30℃を越えることはなさそうです。これから雙林寺界隈は、行楽に、紅葉に、観光客が押し寄せて賑やかになってきそうです。

 ところで、雙林寺には「御守」をご用意しておりますが、御守の袋にはいわゆる「交通安全」や「学業成就」などとは書かれておらず、「薬師如来」「地蔵菩薩」「歓喜天」と、仏さまの名前を記してあります。参拝者の方からは、「どの御守が良いですか」とか、「どれが一番効きますか」、などと質問されることもしばしばです。「仏さまに優劣はなく、どれも同じです」とお答えしますと、ますます困惑されてしまいます。私たちが薬を選ぶときは、風邪薬だ頭痛薬だと選びますが、「これは万能薬です」といわれると何だか怪しい薬だと疑って敬遠してしまうのと同じことなのでしょう。

 仏さまは目に見えない大いなる存在です。私たちの人知など到底及びませんからなかなか拝みにくいのも確かです。そんな私たちの為に仏さまは、いろいろな御姿に変身してくださいます。如来、菩薩などいろいろおられます。

 それぞれの仏さまにはプロフィールがありますから、それを調べてみたり、この仏さま好きだなとか、この仏さまにご縁を感じるな、のような気持ちで信仰されるのもよろしいかと思います。いつも申しますが、信じて従うべしなのです。この薬は効くと信じれば、不思議と効くんですよね。一途に信じて純粋な気持ちで心の底から祈ると大いなる仏さまに通じて、不思議なお力を頂戴できるのではないでしょうか。御守を握りしめて空を見上げて仏さまと通じたいと願ってみるのもいいかもしれませんよ。今日も楽しい一日を。