サルスベリ

百日紅
 雲の多い京都東山です。今日で「戸津説法」は最終日となります。スタッフは終わってから、某所にて慰労会が予定されてます。猛暑の中、お説法師さまもご聴聞の方もお疲れ様です。

 さて、この夏の暑さが好きな花のひとつに、百日紅がありますね。暑いと花芽が次々と出来て花期が長くなり、夏が暑ければ暑いほど見事な花を付けます。ピンクに白に紫色の花が咲きます。雙林寺の百日紅はピンク色です。

 その名の通り、「猿でも滑って落ちてしまいそうなほどツルツルした木」が名称の由来ですが、実際に猿が滑ることはないどころか、簡単に登るそうですよ。樹皮がツルツルしているのは、つる植物に巻きつかれないためなのだそうです。

 百日紅の花言葉には「雄弁」「愛嬌」「不用意」「あなたを信じる」などがあります。中でも「あなたを信じる」には韓国に伝わる悲しい物語がありました。ある娘を残して、王子が「百日後には必ず戻る」と約束して旅立ちました。その後王子が戻ってきた時にはすでに娘は亡くなっていました。やがて、娘の墓がある場所から木が生え、百日の間、花が咲き続けていた。というお話です。

 しかし実際のところは、百日紅の花は、咲けば散り咲けば散るを繰り返しているので、あたかも百日間咲き続けているかのように見えるんですよね。

 また、あちこちのお寺に百日紅があるのは、お釈迦さま誕生に関係する「無憂樹」の代用として植えられているそうです。インドにおいて無憂樹は、恋愛や結婚、出産に深くまつわるおめでたい幸福の木なのだそうですよ。

 ともあれ、百日紅は、私たちの目を長い間楽しませてくれます。みなさまのお近くにも咲いていますでしょうか。今日も楽しい一日を。