蚕起食桑


 曇り空の京都東山です。今日は満月となります。願い事が叶うといいですね。特に5月の満月の日は「お釈迦さまのお誕生日」「悟りを開かれた日」「入滅された日」が起こったと伝えられており、特別な日となっています。京都・鞍馬寺では「ウエサク祭」が催されますよ。

 さて、七十二候では「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」を迎えています。蚕が起きて桑の葉を食べ始める頃だそうです。蚕は桑の葉を夜中でも食べ続けて、繭づくりの時期には、真っ白な糸を吐いて繭玉を作ります。

 私は知りませんでしたが、皇居では、歴代の皇后さまが、紅葉山御蚕所というところで、明治以降、蚕を育てておられるそうです。この頃になると、皇后さまが、その蚕に桑の葉を与える「御給桑(ごきゅうそう)」をされ、繭の収穫なども行われるのだそうです。また、皇居で育てられている蚕は、国産の「小石丸」など4種類で、いずれも順調に育っているようで、その生糸で織られた絹織物は、宮中の儀式や祭祀で用いられているということです。

 むかし「あゝ野麦峠」という映画を見たことを思い出しましたが、製糸工場の過酷な状況が描かれて、女工さんが病気で亡くなっていくという悲しいお話でしたね。今日も楽しい一日を。