灯明

 いいお天気の京都東山です。朝から妙法院で貞明皇后御忌法要がありました。午後からは教区議会が開催されます。

 さて、「昼間は明るいのに、どうしてろうそくに火を点けるの?」と子どもさんが聞いておられました。素朴な疑問ですね。

 たしかに暗いところを明るくする機能的なこともあるのですが、このろうそくの火は、お灯明といって、仏壇には、欠かせないものの一つです。これは、仏さまの智恵の光りにたとえられるもので、私たち凡夫(ぼんぷ)の心の闇を明るく照らす功徳があるといわれています。

 心の闇や迷いの心は、人生や物事、事柄の本質や真実のところがよくわからなかったり、何も知らないというところから生まれるものです。「無明(むみょう)」といったりします。また、貪(とん・むさぼり)・瞋(じん・いかり)・痴(ち・知らないこと)を三毒ともいいますが、これも、無明の心から生じてきます。その暗い心を明るく照らすのは智恵の光です。仏教で智恵は、慈悲と共に大切にされますから、灯明を灯して心を明るくすべく、毎日お修行に励みましょうか。今日も楽しい一日を。