昨夜から雨が降り続く京都東山です。天気予報では、大雨による土砂災害などに警戒してくださいとのことです。
さて、七十二候では「蚯蚓出(きゅういんいずる)」を迎えています。蚯蚓(きゅういん)とは、ミミズのことで、そろそろ土の中からお出ましになる頃ということですね。
いつのころからか、ミミズを見ることがなくなりました。私が子どもの頃はスコップで境内を掘って遊んだりしていましたので、ミミズが出てくることもよくありました。雨上がりの道路でも見つけたりすることもありました。もしかすると、都会の子どもたちはミミズを見たことがないとか、知らないかもしれませんね。
ミミズには目はなくて、オスメス同体で、見た目はあまりよろしくありません。釣りの餌として用いることが一般的で、乾燥すると漢方生薬の解熱剤になります。またミミズは腐葉土を食べて、窒素やリンを含んだ糞を出します。その糞に小さな微生物たちが住み着いて、さらに分解されて、肥沃な土が出来上がります。そしてそこに植物が育ちます。つまりミミズがいるところは豊かな土壌なので、ミミズのことを「自然の鍬(くわ)」と呼んだりするそうです。
なかには、鳥や小動物の餌食になっているミミズがいることもありますが、一連のサイクルを考えますと、自然界の食物連鎖、命の積み重ねのありがたさがよく分かる気がします。今日も楽しい一日を。