香りといえば、法華経法師品に香を御供えすることが説かれており、仏教では欠かせないもののひとつです。一般的に寺では、白檀、沈香、伽羅などのお香を焚きます。線香、抹香、焼香といろいろなお香を焚いて香りを出します。モクモクと雲のように煙が立ち込めて、香りが行き届きますと私たちの煩悩を消し去り心を清浄にします。そして、悪魔を退散させて道場をも清浄にします。さらに、仏さま、ご先祖さまに香りが届いて楽しんでいただけることになります。
香りはお寺の専売特許ではないので、日常、ご家庭でもお香を焚きますと気持ちが落ち着いたり、部屋の空間がいつもと違う風景に見えたりと結構楽しいものです。お香屋さんへ行くと、フローラルにハーブなどいろいろな種類の香りがありますよね。
我が家では、書斎でお香を焚きますし、箪笥には防虫香を入れていますし、鞄にはにおい袋を入れてと、いろいろと楽しんでいます。どことなく雅な気分にもなれたりします。おまけに、塗香のおかげでマイカーはどことなくお香の香りがしています。
～そらだきもの いと心にくく薫り出で 名香の香など匂ひみちたるに 君の御追風いとことなれば 内の人びとも心づかひすべかめり～
今日も楽しい一日を。
