薬師さん縁日です。

雙林寺本尊 薬師如来坐像
 小雨が降ったりやんだりの京都東山です。今日は立秋となります。秋と言われても、暑さ真っ盛りでまったくピンと来ませんが、徐々に涼しくなってもらいたいものですね。今日からは、残暑見舞いです。

 そして、毎月8日はお薬師さまのご縁日です。お薬師さまは、正式には薬師瑠璃光如来と申しまして、東方瑠璃世界の教主をされています。比叡山延暦寺で薬師如来が御本尊とされて以来、多くの天台宗寺院でお祀りされている仏さまです。雙林寺の御本尊さまもそうです。

 一番の特徴は、左手に薬壺をお持ちになり、病気を治してくださる仏さまとして、有名です。如来になられる前、菩薩で修行されていた時代に、十二の大願をお立てになり、その中で一切の衆生を病気から救うことを挙げられたことから、病気平癒にご利益を頂戴できる仏さまとして、昔から多くの人々に信仰されています。

 法隆寺金堂に安置されている白鳳時代の薬師如来像光背銘には、「用明天皇が病気の時に、病気平癒祈願のため寺(法隆寺)を建て、薬師如来像を祀るようにとの仰せがあったが、天皇は残念ながら果たされることなく崩御された。しかし推古天皇と聖徳太子がその遺志を果たした」と刻されています。

 このように、人間は生まれてから終えるまで病気ほど恐ろしいものはありません。どんな富者豪傑貴人でも病の苦しみにはかなわないのです。どうぞ、お薬師さまを信仰され、よりよい健康状態を目指してみてはいかがでしょうか。今日も楽しい一日を。


【特別参拝のおしらせ】

-京都十二薬師霊場会復興10周年記念事業-

通常よりお近くで拝んでいただけます。同時に、甲冑姿の大黒天像、西行法師像を公開します。

  • 期間:令和5年10月7日(土)から10月22日(日)まで
  • 時間:午前9時から午後4時まで
  • 参拝料:700円(護摩木付)