百日紅

 

百日紅
 概ねいいお天気の京都東山です。さて、今年も「百日紅」が咲き始めました。中国原産で、7〜9月頃にピンクや紫、白の花を咲かせます。ちなみに、雙林寺の百日紅はピンク色ですね。その名の通り、「猿でも滑って落ちてしまいそうなほどツルツルした木」が名称の由来ですが、実際に猿が滑ることはないどころか、簡単に登るそうです。樹皮がツルツルしているのは、つる植物に巻きつかれないためなのだそうです。

 百日紅の花言葉には「雄弁」「愛嬌」「不用意」「あなたを信じる」などがあります。中でも「あなたを信じる」には韓国に伝わる悲しい物語に由来するそうです。ある娘を残して、王子が「百日後には必ず戻る」と約束して旅立ちます。その後王子が戻ってきた時にはすでに娘は亡くなっていました。やがて、娘の墓がある場所から木が生え、百日の間、花が咲き続けた。という伝説だそうです。

 しかし実際のところは、咲けば散り咲けば散るを繰り返しているので、あたかも百日間咲き続けているかのように見えるんですよね。

 あちこちのお寺に百日紅があるのは、お釈迦さま誕生に関係する「無憂樹」の代用として植えられているそうです。インドにおいて無憂樹は、恋愛や結婚、出産に深くまつわるおめでたい幸福の木なのだそうですよ。

 ともあれ、百日紅は、私たちの目を長い間楽しませてくれます。その花言葉や由来する物語に思いを馳せて、鑑賞するとしますか。みなさまのお近くにも咲いていますでしょうか。今日も楽しい一日を。