びんずるさん

 

しょうぐうさん
 曇り空の京都東山です。今日は大安にて満月の開運日となりますが、天気予報によると、今夜のお月さまは拝めそうにありません。

 さて、善光寺で「賓頭盧尊者像(びんずるそんじゃぞう)」が盗まれるという事件がありましたが、犯人が逮捕され、お像も無事に見つかったということで、ひと安心ですね。

 お釈迦さまの16人の弟子の一人で、賓度羅跋囉駄闍尊者(びんどらばらだじゃそんじゃ)などと称されます。一般的に「びんずるさん」と呼ばれて親しまれていますね。インドの跋蹉(ばっしゃ)国にある拘舎弥(くしゃみ)城の大臣の子としてお生まれになりました。家業は、医者でしたが、仏弟子となり、その後十六羅漢のお一人となられます。

 賓頭盧尊者にまつわる伝説に次のようなお話があります。給孤独園(きっこどくおん)の長者の娘が、お釈迦さまとその弟子たちを招いて供養をしたいと申し出ました。弟子たちは喜んで、神通力をもって供養先に行ったのですが、賓頭盧だけは神通力をもって、逆に供養地を山もろとも自分の方に引き寄せてしまったのでした。お釈迦さまはこれをとがめ、賓頭盧に「お前は、神通力をもって、いたずらをしたが、その罪として今後、決して、永久に涅槃(入滅)は許さぬ。 永く、その身で人のために供養して、世の中のために尽くしぬくが良い」と、いい渡されました。その後、永い間涅槃ができず、年齢が7万歳になって、ようやくその罰が許され、お経を誦んで、舎利塔に行き、入滅したということです。

 医者の子であったことから、お像を撫でると病気が治るとか病気にかからないというご利益を頂戴できるといわれていますよ。今日も楽しい一日を。