ありがたいこと

 

しょうぐうさん
 昨日の夕方から降り出した雨は、今朝方ようやくあがりました曇り空京都東山です。

 さて、お寺の法話ではよく「感謝しましょう」などとお話しますけれども、一体、一日に何回ぐらい「ありがとう」と言うのでしょうか。恐らく数えている人はいないでしょうし、言わない日もあるのかもしれません。でしたら、「一日10回ありがとうを言う」などと自分のルールを決めて、どんなことがありがたいことなのかを考えてみるのもよいかもしれません。

 この普段使っている「ありがたい」とか「ありがとう」という言葉は、「法句経」では「人の生を受くるは難く、やがて死すべきものの、いま生命あるは有難し。正法を耳にするは難く、諸仏の世に出づるも有難し。」と説かれています。伝教大師さまは、人間として一生をうけることは、太平洋かどこかの海に沈んでいる1本の針を道具や機器などを使わないで探し出すくらい得難いことだと仰っています。もしかすると、次の一生は人間に生まれ変われないのかもしれないのです。とはいうものの、若くて毎日元気であれば、生きていることの有難さは、実感しないのかもしれませんね。

 このように、仏さまのみ教えの中に「ありがたい」ということが説かれています。私たちもいろいろな「ありがたさ」に気付けるようになりたいものですよね。今日も楽しい一日を。