お十夜

真如堂
 ところどころ晴れ間も見えますが曇り空の京都東山です。今日は一粒の籾が万倍にも実り、立派な稲穂になるとされる「一粒万倍日」ですね。私は、午後から京都教区宗務所にて寺務当番です。宗務所は真如堂の境内にありますが、真如堂といえばこの時期、通称「お十夜(じゅうや)」が執り行われますね。

 真如堂のホームページなどによりますと、お十夜は、「この世で十日十夜善いことをすれば、仏国土で千年善いことをするに勝る」という「無量寿経」の教えに基づき、阿弥陀如来さまの法恩に感謝する法要です。もともとは、室町幕府第6代将軍・足利義教の執権職をしていた伊勢守貞経の弟、平貞国が真如堂で十日十夜の念仏修行を行ったことに由来しています。その後約70年後に国の許可を得て、鎌倉光明寺(浄土宗)に伝承され、そこを基点として全国各地に広まっていったそうです。

 真如堂での十夜念仏会には、鉦(かね)講という在家の人達によって構成される十夜鉦が期間中奉納されています。11月5日から15日まで、講員が鉦を打ち阿弥陀仏を念じます。またこの期間は、秘仏である御本尊・阿弥陀如来さまの御手に結ばれた糸・白い綱が本堂前の回向柱まで延ばされ、この綱に触れることで阿弥陀如来さまに直接触れたことと同じ御利益があるとされ、多くの方がお参りに来られます。

 そして、毎年11月15日だけ御本尊の御厨子が開帳され、本堂の内々陣にまで入ることができ、間近で参拝できます。今年は法要のみ執り行われる(11月5日~15日)とのことですが、詳しくはお問い合わせ下さい。今日も楽しい一日を