聖天さまご縁日です

 晴れ空ですが、肌寒さを感じる京都東山です。今日は聖天さまのご縁日ですね。新年度が始まり、新しい環境での生活を始められた方もおられるのではないでしょうか。そして、いわゆる男女の縁だけではなく、いい上司や部下、取引先などいい人間環境に恵まれますようにと、縁結びの祈願をされる方も多くおられます。

 聖天さまは密教の神さまで、縁結びのお力もいただけるとされています。毎日忙しくて到底お寺へお参りなど出来ないとか作法通りお勤めが出来ないと仰る方もおられると思います。そんな時は、何時でもよいし、どんな所ででもよいので、ただ、合掌して一心に御真言【おんきりぎゃくうんそわか】をお唱えし、願い事を聖天さまに伝わるように思えれば、それで事は足ります。要するに、お祈りする人の気持ちが大事で、常日頃から心に強く聖天さまと心願成就を心に持ち続けるのです。とはいうものの、聖天さまの御縁日である毎月1日と16日の2日間は、予め決まった日なので、自分の予定を調整してお寺にお参りして、より身近なところでお祈りしたいものです。

 お寺やご家庭でお勤めしている間は、雑念を起こさないようにすべきです。どうしても心が静まらない時は、自分の呼吸を1から10までゆっくりと深呼吸をするように数えて、また、1から10までと言う風に繰り返してみてください。またお経を読む時の声は高くもなく低くもなく、慣れてきたからと言って早く読まず、雨垂れが落ちるように等しく規則正しく、しかも自分の耳に声が聞こえてくるくらいの声量で読経することが望ましいです。この場合、歓喜に充ちた愉快な気持ちで読みましょう。怒りの心では聖天さまに通じません。

 信仰は実践の繰り返しで、何といいますか体得するものだと思います。繰り返し繰り返し続けていますと、ご利益をいただけたとわかるようになりますし、自分なりに何かを悟れると思いますよ。少なくとも聖天さまは、ご利益製造機ではないということだけはご理解いただきたいと思います。今日も楽しい一日を。