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薬壺 |
さて、毎月8日はお薬師さまのご縁日となります。お薬師さまは、正式には薬師瑠璃光如来と申しまして、東方瑠璃世界の教主をされています。比叡山延暦寺の御本尊でもありますので、多くの天台宗寺院でお祀りされている仏さまです。雙林寺の御本尊さまもそうです。
お薬師さまの一番の特徴は、左手に霊薬が入っているという薬壺(やっこ)をお持ちになり、そのお力で、心身の病気を治してくださる仏さまとして有名です。如来になられる前に菩薩として修行されていた時代に、十二の大願をお立てになり、その中のひとつに一切の衆生を病気から救うということを挙げられたことから、病気平癒にご利益を頂戴できる仏さまとして、昔から多くの人々に信仰されているのです。
法隆寺金堂に安置されている白鳳時代の薬師如来像光背銘には、「用明天皇が病気の時に、病気平癒祈願のために寺(法隆寺)を建て、薬師如来像を祀るようにとの仰せがあったが、天皇は残念ながら果たされることなく崩御された。しかし推古天皇と聖徳太子がその遺志を果たした」と刻されています。
このように、人間は生まれてから終えるまで病気ほど恐ろしいものはありません。どんな富者豪傑貴人でも病の苦しみにはかなわないのです。しかし、どうしようもない病状になってから信仰をはじめたとしても、やはり、どうしようもないので、日頃から健康診断を受診するなどして、健康に気を配った生活を送るべきです。つまり、普段から健康について考えるといいますか、そういう信仰がよいと思いますよ。 おんころころせんだりまとうぎそわか 今日も楽しい一日を。