終い薬師

薬師如来像(雙林寺蔵)
 雲は多いものの概ね晴れ空の京都東山です。七十二候では「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」お迎えました。いよいよ冬本番といったところでしょうか。また、京都教区布教師会では今晩成道会が催されます。

 さて、今日は今年最後の薬師如来さまのご縁日となります。今年一年の感謝を捧げにお参りにいかれてはいかがでしょうか。

 お薬師さまの梵名は、バイシャージャヤグルといいまして、「医者の師」と訳されています。東方瑠璃光世界の教主をされていまして、薬師瑠璃光如来、瑠璃光如来、 医王薬師如来、大医王仏などとも呼ばれています。そのお名前の通り、私たちの病気を治し、安楽を与えてくださる仏さまとして有名です。特徴としては、左手にお持ちの薬の壺が目印です。

 菩薩としてお修業されていた頃、十二の大願を立てられ、その七番目に、「病の者も、私の名前を聞けば思いが除かれる」とあり、これが薬師信仰の始まりといわれています。しかし、決して病気のときだけに祈願する仏さまではなく、普段からお参りをして、病気にかからないようにする、健康に気を付けることを誓う仏さまでもあると思います。

 病気になると薬を飲んだり病院へ通ったりと、時間も費用もかかります。何よりも健康が一番いいに決まってますよね。お若い人は健康な方が多いですから、あんまりわからないかもしれませんね。

 延暦寺根本中堂の御本尊でもあり、多くの天台宗寺院でお祀りされていますね。 おんころころせんだりまとうぎそわか 今日も楽しい一日を。