鏡開き

 曇り空の京都東山です。今日は「新月」ですね。新月、あるいは満月の日は願い事が叶いやすいとされています。そして「鏡開き」の日となります。

 鏡開きはご承知のとおり、神さまにお供えしていた鏡餅をお下がりとして、木づちで叩いて割って食べやすくして、お雑煮などで頂戴する儀式のことですね。

 もともと鏡開きは、武士の風習だったそうです。固くなったお餅を「切る」ことは、切腹を連想させてしまうことから「切る」という言葉や刃物を使うことを避けたのだそうです。併せて、包丁で切るという行為は「縁を切る」ことも連想させるため、包丁を使わないそうです。

 また、おめでたいときに「割る」という言葉も縁起が悪いので、「運をひらく=良いことが起こる」という意味を込めて「鏡開き」と呼ぶようになったそうです。ちなみに、鏡開きは結婚式などのお祝いのときに樽酒の蓋を割る儀式のことにも言います。これも「ひらく」ことで幸せになることへの祈りが込められているのですね。

 ところが、木槌で「割る」といっても、叩くばかりで簡単に割れないのですよね。それで、結局のところ、電子レンジで加熱して、手で割ると言いますか、ちぎるように裂きます。結局のところ私たちは武士ではないと言い訳して、最後は包丁で整形するようにしています。

 そして、年神さまに感謝しつつ、無病息災を祈りながら、お餅をいただきます。みなさまのご家庭ではどのようにして召し上がられますでしょうか。我が家は、善哉にしてますけど、破片は油で揚げて、あられみたいにします。みなさんの運がひらかれますように。今日も楽しい一日を。