鬼子母神さま


 晴れ空の京都東山です。今日で2月も終わりで逃げていきます。さて、28日はお不動さまのご縁日ですね。また、毎月8のつく日は鬼子母神さまのご縁日でもあります。

 鬼子母神さまは、訶利帝母ともいい、500人の子供を産み、王舎城にやって来ては1000人もの他人の幼児を取っては食うという恐ろしい外道の鬼女でした。500人もの子供を育てるには体力が必要だったのかもしれませんけれど、人喰いとは何たることでしょうかね。それで、お釈迦さまがこれを戒めようとして、訶利帝母の一番末の幼児を隠してしまいました。訶利帝母は、半狂乱になって、あちこちくまなく7日間捜し続けたのですが見つかりません。非常に嘆き悲しみ、ついにお釈迦さまのもとへ行き、子供が戻ることを願い求めました。そこでお釈迦さまは、「汝に食われた親の悲しみの胸中はどれほどか、わかるか」と諭されました。そして、三帰五戒(三つの帰依と五つの戒律)を護るように説き、死ぬまで人の子を取って食うようなことをしないようにと誓わせることで、訶利帝母の子を返したのでした。その後、訶利帝母は、仏門に帰依して誓願を立て、安産、幼児保護の神さまとなったとのことです。

 天女のように美しく、極めて端麗なお姿で、左手の懐中に子供を抱かれており、その子の名前は「愛奴」と申します。右手にはお乳のあたりで吉祥果を掌に持っておられます。この吉祥果がザクロとされています。そして多くの子供たちに取り囲まれてお祀りされています。

 自分の子供だけが可愛いくて、よその子供はどうでもいいという考えだったのでしょうけれど、お釈迦さまに諭されて、それではだめだということに気が付かれてよかったですね。今日も楽しい一日を。