ご先祖さまはどこにいる?

 

 雲は多いものの概ね晴れ空の京都東山です。連日厳しい暑さが続いています。どなたさまも体調管理などお気をつけください。

 さて、天台宗ホームページに新しい法話が掲載されましたので、ご紹介したいと思います。

 【古来、亡くなったご先祖様はお盆とお正月に当家に帰ってこられると言われてきました。御先祖様はそんな風に行ったり来たりするのでしょうか?もしそうだとしたら、正月やお盆が済むとこの世からいなくなってしまうのでしょうか?実はそうではないのです。

 亡くなった御先祖様は見えない大きな大きな姿で私たちの周囲にもあの世にもあらゆる処に存在していらっしゃると考えるべきなのです。小さいお子さんが亡くなったおじいちゃんに「見守っててね!」などというのはまさにおじいちゃんの見守りが可能であるという願いなのです。私たちは亡き御先祖様がいつもどこでも見守って下さっているという安心の中で暮らしていけるのです。

 そうすると、正月やお盆に御先祖様を迎える準備や作法を行うことは無意味なことなのでしょうか?そうではありません。私たちは日常の生活の中でいつもいつも御先祖様に対して鄭重な供物や作法を行う訳にはいきません。仕事や娯楽を優先してしまい、仏事をおろそかにすることもあるかもしれません。そんな中で、せめて暦の上での節目だけでもしっかりとお迎えしましょうというのが、正月とお盆に対する大事な考え方だといえます。

 御法事も同じです。3回忌、7回忌など御法事の年だから法要して供養させていただきましょうといいますが、本来なら毎年祥月命日がくれば法要なさる方が丁寧です。祥月命日だけでなく、毎月毎月の月命日に行う方が丁寧です。毎日毎朝に供養するのが丁寧に決まっています。

 天台宗ではこうしなければならないということはありません。むしろ、檀信徒の皆さんの心持ち、心がけでできるだけのことを精一杯行っていけばよいのです。】

 何といいますか、いわゆる仏さんごとは修行もそうなのですが、強制されて行うものではなくて自発的に行うものなのですよ。今日も楽しい一日を。