国宝とは何物ぞ、宝とは道心なり

九州会場での金言
 快晴の京都東山です。今日も暑く感じる気候になりそうです。さて、東京、九州に続いて、京都国立博物館で、特別展「最澄と天台宗のすべて」が始まりました。会場では金言が3つ掲げられています。そのひとつに、【国宝とは何物ぞ。宝とは道心(どうしん)なり。道心ある人を名づけて国宝となす】があります。

「国の宝」となるものは一体何でしょうか。たとえば、金銀財宝、貴いもの、希少価値のあるもの、古いもの、珍しいものなどが宝物とされるものでしょうか。

 伝教大師さまは、本当に国の宝とすべきものは、人間なのだと仰いました。人間には色々な方がおられますが、道を求めて止まない真心の持主を国の宝だと言われるのです。道は言うまでもなく、人間を完成へと導くものです。

 人間は一人一人それぞれに長所もあり、短所もあります。頭の良い人、身体の丈夫な人、手先の器用な人、声のよい人、勘の鋭い人、ほかにも多々あります。一人で何もかも出来る人は多くいないかもしれませんが、全く何一つ出来ない人もいないでしょう。どんなことでもよいので、自分の能力を活かしながら、今いるその場所や立場でベストを尽くして、明るく輝く存在になりましょう。「世の一隅に光を放つものになれ」これが伝教大師さまの教えです。今日も楽しい一日を。